2012年3月4日日曜日

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東日本大震災:増え続ける焼却灰 2万トン保管、埋め立ても進まず /神奈川
毎日新聞 2012年3月3日 地方版
http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20120303ddlk14040217000c.html

 原発事故に伴い、放射性物質を含む下水汚泥の焼却灰2万トン近くが、県内で一時保管されたままになっている実態が浮かび上がった。先月の集計で、 県のほか横浜、川崎、横須賀、鎌倉、藤沢、大和6市と箱根町の施設で計1万9000トン。昨年7月に比べ4倍以上に膨らんでいる。埋め立て処分ができる数 値(1キロ当たり8000ベクレル以下)は下回っているものの、住民らの不安を解消できず、大量に抱える横浜、川崎では焼却灰が増え続けている。

 ◇横浜市

横浜市では、市内2カ所の汚泥処理施設で保管する焼却灰は計9650トン(2月24日現在)に上る。今月中旬にもコンテナを搬入する予定で、2年程度の保管期間が確保できることになるが、再利用や埋め立て処分などのめどは立っていない。
 金沢区の施設では昨年5月、焼却灰から1キロ当たり5000ベクレルを超える放射性セシウムが測定されたものの、先月半ばには700~1100ベクレル程度にまで低減。それでも、セメント業者は今も引き受けを控えている。
 市は昨年9月、中区の南本牧廃棄物最終処分場への埋立計画を発表したが、港湾関係者や地元住民らの反発で計画は凍結したまま。
 横浜港運協会は先月20日、汚泥焼却灰とは別に、被災地の震災がれきについては、がれきのまま受け入れることなどを条件に、1キロ当たり100ベ クレルを下回れば横浜港への埋め立てを容認する「見解」を表明。だが、焼却灰については、依然として反対の立場を崩していない。林文子市長は先月29日の 定例記者会見で「苦慮しており、話し合いを続けていきたい」と述べるにとどめた。【杉埜水脈】

 ◇川崎市

岩手、宮城両県の震災がれきを受け入れる意向を示す川崎市。だが、その前提としている「市内の下水汚泥(焼却)灰などの処理にめどがついた段階」(阿部孝夫市長)に達するまでの道は険しい。
 一時保管されている焼却灰は2752トン(2月29日現在)。汚泥処理施設から浮島埋め立て地に移され、コンテナの中に仮置きされたまま。現状では、7月にはコンテナが満杯になる見通しだ。
 汚泥焼却灰に含まれる放射性セシウムは、先月17日の測定で1キロ当たり1776ベクレル。震災前までセメントの原料として引き取っていた市内の 業者は「具体的な数値は言えないが、目安として1キロ当たり300ベクレル以下でないと引き受けられないだろう」と説明する。【高橋直純】

 ◇県

小田原、平塚、茅ケ崎3市内にある県の四つの汚泥処理施設で保管している焼却灰は1日現在で計5022トン。新たに発生した焼却灰は放射性濃度が 1キロ当たり100ベクレル程度になっており、今年に入りセメントの原料として再利用する従来のリサイクルが回復し始めたことから、日に日に保管量が増え るという状況は脱した。
 一方で、保管されたままの焼却灰は、放射性濃度が当初の1キロ当たり最大約2800ベクレルから470~1200ベクレルにまで下がったものの、 最終的な処分方法は決まっていない。県は安全な保管場所を確保するため約3億円をかけて9棟の建屋を敷地内に建設中で、5月末までに完成させた上ですべて の焼却灰を保管する予定。
 担当者は「保管している焼却灰の埋め立ても考えたが、周辺住民の反対などで現実的には難しい。まずはリサイクルで徐々に減らしていきたい」と話している。【北川仁士】
毎日新聞 2012年3月3日 地方版

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