2012年2月7日火曜日

浜岡原発、5号機運転再開に対して住民投票を!

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浜岡原発、5号機運転再開に対して住民投票を!


1月15日午後1時20分頃、説明会の会場となった新野公民館。撮影、筆者。
 1月15日の土曜日の午後1時半から、御前崎市新野公民館で中部電力と原子力安全保安院による「5号機耐震安全性に関する市民説明会」が行なわれ た。その対象は4市(御前崎市、牧の原市、菊川市、掛川市)に限定されていたが、それ以外の住民も質問をしないという条件で入場を認められた。少し遅く 入ったせいで、座る席を捜すのが一苦労するほどの混雑ぶりであった。300名ほど来ていたのではないだろうか。前のほうは空席がめだったが、そこは関係者 の席となっている。会場の左側は報道陣が陣取り、6社ぐらい来ていた。
 まず最初に、中部電力の保修部の部長の話から始まったが、この人は前日の佐倉地区での説明会にも来ていて地域住民に説明していた。その話の中で、 「駿河湾地震で5号機は426ガルの揺れを記録したが大した被害はなく、タービンがちょっと損傷しただけであった」と語っていたのが印象的であった。5号 機はあの時の地震で、中電が発表しただけでも50数ヵ所の損傷や異常ヵ所が発生し、重大な放射能漏れまで引き起こした。それを、「タービンがちょっとだ け・・・・」と堂々と地区民に説明しているのだ。
 彼の説明を聞きながら、この人は本当に事故に対する不安や怖れはないのだろうかと、そのことがむしろ不思議であった。気がついたら、得体の知れな い怪物でも見るような目で彼を見ていた。どこから来たのか知らないが、この周辺の土地で暮らしているはずだろうし、家族も一緒に生活しているはずである。 数日前にネットを検索していると、「原発の近くでは、どんな人が生活をしているのでしょうか?」という質問を目にして苦笑いしたことがあったが、私も彼の 説明を聞きながら同じようなことを考えていたのだ。
 それから、同じ佐倉公民館での説明会で、ある質問者が「2008年6月の岩手宮城内陸地震の時に、一関市で4022ガルの揺れを記録し、ギネスで 「世界一」の認定を受けましたけど、浜岡原発ではそのような揺れは想定していないのですか?」という問いに対して、「大きな揺れが発生したからといって も、それで即建物に影響を与えるとは限らない・・・・」と、中電の保修部長は端正な顔を歪めて苦し紛れの返答をしていた。
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 約1年半前の2009年8月に発生した駿河湾地震で、御前崎市の震度は6弱だったが、5号機の震度計は426ガルを記録した。「ガル」とは、地震 による地盤や建物の揺れの大きさを表している。数値が大きいほど当然揺れも大きい。耐震強度に問題があって、廃炉が決定している1号機及び2号機が109 ガルであった。そして3号機が147ガルで、4号機が163ガルであった。5号機だけ異常な揺れ方をしたことが、この数字を見ただけでわかる。この揺れの せいで、最も新しい5号機は国のストップが掛かって運転を停止していたのだ。
 異常な揺れの説明として、5号機の真下に「低速度層」と呼ばれる揺れを増幅させる地層があったことを繰り返し述べているが、その豆腐のようなコン ニャクのような厄介な地層に対してはほとんど対策らしきことを講じていないのだ。昨年の6月頃、耐震強度を1000ガルに引き上げた時には、安全上重要な 施設や機器などの保修を行なったそうだが、今回はほとんど補強工事を行なうことなく1000ガルから無理やり1450ガルに引き上げてしまった。

 15日の新野公民館での説明会であるが、「配管や電気系統などの設備の安全性は保たれるのか」という質問に対して、安全保安院は、「余裕度の低い ものを重点的に調査しましたから・・・・」と語っていたが、冷却水パイプの余裕度が高いというのは初めて聞いた。停止後も、冷やし続けなければ原子炉溶融 というとんでもないことになってしまうのだ。パイプ破断事故が地震によって一番発生しやすいと言われている。パイプが寸断されると水がいかなくなるが、ま さか中電は、バケツリレーという原始的な方法でメルトダウン(炉心溶融)という最悪の事態を乗り切ろうと考えているのではないでしょうね。
 その他にも、「チェックが甘すぎるのでは・・・・」という声や、「中電の解析は想定される地震の揺れを過小評価している」との声が聞かれた。それ に対して原子力安全保安院は、「厳格な審査を行なっている」などと返答していた。それに、一般の人には難しい極めて専門的な説明に、「もっと、わかりやす い説明を・・・・」という声も飛んでいた。質問者たちも、中電や安全保安院のいい加減な返答に憤っていたが、それよりももっと首を傾げたのは質問時間の短 さであった。1時半から始まった説明会は3時半ちょうどに終了したのだが、参加した市民の間からは、「満足に質問もできなくて欲求不満だ」という怒りの声 や不満の声が湧きあがっていた。
 最後に、議長を務めた石原御前崎市長は、「市民説明会は地域住民にとって、安心安全の材料となった。国のお墨付きであり、運転再開は差し支えない としたい」と発言していたが、安心安全どころか、むしろ今回の説明を聞いて不安が倍増したというのが実感であった。そして帰宅した直後に、隣接する4市が 運転再開を了承したということをテレビ報道で知ることになった。月内にも稼働か、という報道も流れていた。
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 ずばり言って、5号機は欠陥原子炉である。少なくとも、私はそう思っている。そして多くの静岡県民も、私と同じ考えを持っているのではないだろう か。1%、いや、たとえ0.1%だって、0・01%だって、重大事故が発生する危険性があった場合は、運転再開を見送るのが国の政策というものではないだ ろうか。それなのに、浜岡5号機は1%を遥かに超える危険性を包含しているのだ。私は御前崎市に住んでいるが、放射能被害による急性死などという悲惨な死 に方は嫌である。
 現在、浜岡原発は1基も稼動していない。節電の呼びかけもないし、原発がなくても電気は足りているのである。それでも中電が危険な原発に執着する のなら、電気のない生活を選択したほうがましである。誰も、死にたくないはずである。私自身も、中電や国や4市の市長なんかに殺されたくない。私の考え方 が極論であり、異論であるというのなら、5号機運転再開を民主的に住民投票という方法で決定して欲しい。地域住民や、多くの国民を対象にした人体実験だけ はやめてくれ!
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川上武志記者のプロフィール
30代の頃には10年間近く各地で の原発労働に従事し、2003年8月10日から2008年9月6日までの5年間余り、浜岡原発で一労働者として働いていました。現在は御前崎市に居住し、 私の住居の1キロ南に浜岡原発があります。それから、2011年9月、原発労働者としての体験を書いた「原発放浪記」を宝島社から出版。
メールアドレス、rbhrt048@ybb.ne.jp 

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